コロナ騒動もまだ収束に至っていない最中に、ロシアがウクライナへ軍事侵攻を行い、世界中がひっくり返るような動揺を受けた。世界の経済活動は、今大きな試練に立たされており一刻も早い収束を見守っている。
ロシア、ウクライナからの農産物が供給不足になり、食品をはじめ希少金属や原油・天然ガスの輸入に大きな影響を受けてしまった。この結果、あらゆる関連するモノの価格が高騰すると同時に品不足へと導かれた。
我々の業界は、まず原油の高騰によりベースオイルが大幅に値上がりし、ここから作られる石化原料が値上がり、しかも品不足で製品が作れないという前代未聞の様相を体感している。代替原料の選定と調達には、本当に頭が痛いというよりほかにない状態が続行中である。
さらに中国の「ゼロコロナ政策」で、約2か月に及んだロックダウンがようやく解除された。上海日本商工クラブによると、上海の日系製造業の80%が工場の操業停止となり、90%が稼働率30%以下に抑えられた。日本国内では上海市からの船舶が出航できない影響で調達難に見舞われた。
中国経済は大幅に鈍化し、日本をはじめ先進国へ与えた影響は計り知れないものとなった。そろそろとではあるが、中国依存体質の見直しが進むものと思われる。
直近、米国の西海岸で港湾等のロックアウト(ストライキ)が回避されたのは、少しは明るい兆しが・・・。

(1)

昨年秋、某社より「新素材の切削・研削油剤で困っている、助けて欲しい」という依頼があった。経験のない材質だったので共同開発というかたちでなら、ということで油剤を開発することになった。素材はアルミとセラミックスの複合材で、アルミと比較して重量は同等、1.8倍の高剛性、熱膨張が少ない、熱伝導がよい、セラミックスと比較して割れにくいといった特徴の複合材であった。とにかく硬い材料なので、ツールはドリル、エンドミル等すべてダイヤモンドコーティングを使用しており、いかに切削性に水溶性油剤が効果を発揮できるか、またセラミックスと同様にポーラス状であるために希釈液のシミ残り対策、クーラントタンク内でのセラミックスの微粉沈降性対策等、必須課題が多くあった。
手始めは、セラミックス加工で実績がある高潤滑タイプのシンセティックソリュブルをベースに、アルミへの変色を防ぐ試験にかなりの時間を要した。M/Cで試作液での加工は問題無く行えたが、素材部へのシミは無いものの、ワークを固定するクランプ部との接触面がシミになっており、社内で調査したところ異種金属による通電腐食が確認された。この素材はポーラス状であるため、アルミより電気腐食がおこりやすく、対策として急遽社内で「電気腐食発生装置」を開発して再現試験を幾度も行った。四苦八苦の実験の繰り返しの末、切削液の防食性対策はようやく安定し、試験品は正式に新商品S72と命名された。
現在、S72はM/C4台で加工を行っている。クーラントタンク内に微粉が多くなり液が汚れてくるとシミ残り(微粉による汚れ)が発生することもわかり、ユーザーも自社製の精密濾過器を開発し、対策を講じ現在に至っている。試験中に一度、アルミ対応型弊社ソリュブルタイプで加工テストも行ったことがあるが、高圧ポンプの為発泡が問題となった。S72の消泡性は優秀で、ユーザーと弊社技術部内からも「こんなに違いが出るものなのか」と驚いている。今後、アルミ加工はもちろんセラミックス加工へも展開が可能であり、半導体関係はもとより幅広い用途で使用できるヒット商品になると思われる。
なお、S72の特徴として、シンセティックソリブルでのようなベタツキがなく、切粉の沈降性が良く、切粉の固着が起こりにくいようにバランスを考えてある製品に仕上がっている。

(2)
『ホウ酸含有の研削液』

1)法的規制

ホウ酸は天然由来の無機物なので安全性が高いといわれてきたが、近年ホウ酸は環境基本法に定める公共用水域の水質汚濁に係る環境基準において、人の健康の保護に関してホウ素として1r/L 以下(但し、海域には適用しない)と定められている。また「水質汚濁防止法」では、公共用水域への排出及び地下への浸透が規制されている物質のうち、カドミウムなどの人の健康に被害を生ずるおそれがあるとして 28 種類の物質を有害物質と指定している。そこにはホウ素及びその化合物が含まれている。さらに、ホウ素化合物は「化学物質管理促進法(PRTR 法)」の第一種指定化学物質(人や生態系への 有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、環境中に広く存在する(曝露可能性がある)と認められる物質、計 462 物質)に指定されている。このように、ホウ酸は人の健康に影響を及ぼす可能性のある化学物質とされている。このため、水道法の水質基準においても、ホウ素及びその化合物はホウ素換算で1r/L 以下と定められている。なお、ホウ素は単体では自然界に存在せず、ほう砂、ホウ酸等のホウ素化合物として存在している。ホウ酸製剤を土壌処理に用いた場合、有効性の評価がなされていないだけでなく、水によく溶ける(55600mg/L、冷水)ことから、地下水や河川など公共用水域へ流出する危険性が高く、人の健康や環境への悪影響が生じることになり、木材保存剤の使用規制や社会的制裁を受けることになるおそれがあるため、土壌処理に用いてはならないと定められている。


2)ホウ酸の毒性について

ホウ酸類の摂取では、個人差が大きく、最小致死量、最大耐量は確立されていないが、体重 30 s 未満ではホウ酸として 200 r/s以上、体重 30 s以上ではホウ酸として 6.0g以上で症状が出現する可能性があると考えられる(米国中毒センターの報告 1988)。急性摂取による重篤な症状や死亡はまれであるが、認知症の高齢者が大量に摂取した場合などは危険である。
上記の2点より、研・切削液で使用の場合は、注意しなければならない。
近い将来、PRTR法での記載と報告義務だけではなく、使用してはならない物質になる恐れがある。以上から弊社では、ホウ酸に変わる無機塩を使用したC900C903を開発した。
現在、C800(ホウ酸使用製品)を使用しているユーザーで、試験的にC900のテストを継続中で、従来品と同等以上の性能を発揮し、C800をC900に変更して使用している。(冷却性は同等性能、防錆性においては従来品以上の性能を発揮している)


性状比較

製品名 C800 C900
密度(20℃) 1.037 1.047
pH 原液 10.45 10.27
50倍 9.73 9.56
防錆性(FC200) 切粉 20倍合格 40倍合格
表面張力(mN/m) 50倍 59.6 60.5
消泡性(ミキサー) 高さ1.4cm 消泡時間24秒 高さ2.0cm 消泡時間13秒
(3)

NK社は水溶性仕様のガンドリル加工機を導入したが、以前よりガンドリル加工機では不水溶性を使用していた。NK社の方針から、火災の問題回避に水溶性油剤を使用することになり、弊社に相談となった。
NK社は従来の不水溶性の加工に慣れており、水溶性では加工条件設定などが難しいことから難色を示していた。某クーラントメーカーは「加工可能」と触れ込み、新設から使用開始して、加工条件など工夫したが、工具は持たず加工不良が続出した。機械担当責任者は手の打ちようがなく、再度相談を持ち掛けられた。断ることもできず、唯一塩素含有の商品AF312を説明して使用開始したところ、全てが解決した。
問題発生もなく1年間使用した。しかし、塩素含有ということから時代に沿わなく、非塩素のFCS312という商品を開発して、昨年11月中旬から使用開始した。経過観察をしながら現在に至るが、何も問題の発生がない。さらに良いことに、臭気の発生も極端に薄くなり、加工室内の付着汚れも極端に少なくなった。ガンドリル加工は不水溶性油剤でないと加工できないと言われていたが、非塩素系水溶性油剤FCS312で、ガンドリル加工が可能となった革新的な商品となった。材料はSKD、穴径8〜28mm、1500Lまでを加工する。
現場の職長とオペレーターは塩素のダイオキシン問題を熟知しており、まず非塩素化できたことに驚き、工場長は水溶性で加工可能になったことに驚いていた。
実機試験に際して、3名とも本当に加工が可能なのか全く信用していなかったが、異音もせずに貫通穴があいた瞬間にドッと加工物に目を皿のようにして確認していた。
現在半年以上経過したが、液の汚れやベタツキなどもなく順調に使用中である。

(4)

「灘の生一本」などといわれているが、これには条件がある。
日本酒造組合中央会で定められた品質基準に合致するお酒であることが必要なのである。その条件とは、@米と米こうじ(麹)だけを原料にしてつくられたお酒であること。つまり、アルコールや糖分などを加えていないこと。Aしぼってから一切水を加えていない原酒であること。B自分の蔵でつくった酒、自醸酒であること。よそから買い入れた酒を混ぜてはいけない。以上の3つで、こうした厳しい条件を満たした酒が「生一本」と呼ばれる。なお、他の表示については、次のような基準が定められている。

純米酒… 米、麹、水を原料にしたもので、醸造用アルコールを使用しないため、旨味やコク、ふくよかさなどの特徴が強く出た、濃醇タイプの酒が多くみられる。
本醸造… ぶどう糖や水あめを使わない事。アルコールの使用量が白米1000kgあたり、120L以下であること。精米歩合が70%以下の米と麹に醸造用アルコールを添加したもの。純米酒に近い香りと風味をもっている。
吟醸… 本醸造の清酒のうち、精白度40%以上(精米歩合60%以下)の白米を使用し、麹作りも、もろみの発酵温度もすべて低温で行ったもの。米を50%以上削ったものを大吟醸酒、醸造アルコールを使用しないものは純米吟醸酒と呼んでいる。
手作り… 新式の蒸米機を使用しないでつくった本醸造の清酒。
秘蔵酒… 貯蔵期間が5年以上の清酒。

また、「どぶろく」という濁り酒は、麹と蒸した米と水でつくった醪(もろみ)を醸造した酒で、どろどろと白く濁ったもので、これを濾したものが清酒となる。
伝説によると、慶長五年(1600年)頃に摂津鴻池の酒造家、山中勝庵の酒蔵で、うっぷん晴らしのつもりで酒の中へ灰を投げ入れたところ、清らかで澄んだ酒となった。とある。これ以後、庶民の間でも濁り酒に灰を入れて濾した清酒が愛好されたという。
最近では、熟成した濁り酒をほおっておいて放置しておき、上澄みだけを採った「中汲み」と呼ばれる酒を売っている店もあるようだ。
なお「酒」の語源は、古代に「栄え水」と呼んでいたのがなまったものといわれており、飲むと晴々する水、という意味だとか。

(5)

「稲」は、水を張った水田で栽培される。水田で栽培される理由は主に三つあり、一つ目は、水田だと水が不足する心配がないこと。二つ目は、水は温まりにくく冷めにくいので、夜でも暖かいこと。三つ目は、水は養分を溶かし込みながら流れてきているので、水がたまった水田には養分が豊富なこと。
ところが、水がいっぱいある水田で育つと、イネは水を吸収する強い根を張り巡らせる必要がないので、秋に垂れ下がるほどの重いお米を支えることができない。そこで、栽培の途上でイネに試練が課せられることになる。
夏の田んぼでは水が絶たれてしまい、水が注がれないだけでなく田んぼの土は乾燥させられ、ひどい場合は土の表面にヒビ割れが生じるほど乾燥してしまう。これを「中干し」と呼んでいる。イネは驚き、水を求めて強い根を張り巡らせるようになる。土の表面のヒビ割れは、根に空気(酸素)を与えるので、根が活発に伸びるのに役立つのである。
イネは、水を与えられないという試練を受けて、強い根を張り巡らせるようになり、やがて垂れ下がるほどの重いお米を支える体が出来上がり、秋にはたわわな実りを迎えることができる。イネはそれなりの努力をし、苦労に耐えているのである。
我々人間も”多き生涯”を送るために、努力を怠らず、苦労に耐えていかなくてはならないと励まされる。

(6)

「カニ缶」は、他の缶詰類と違って、必ず半透明な白い紙でくるまれている。
カニが高価なものだから、他の缶詰より丁寧に扱ったためでも、身が崩れやすいのでそれを防ぐためにということでもない。
あの紙は、「酸性パーチ」(硫酸紙)といわれるもので、カニの中からガラス状のものが発生するのを防いでいる。カニやエビを缶の中に長く入れておくと、”ストラバイト現象”というものが起こる。これはカニやエビに含まれている成分と、缶の鉄や錫とが化学変化を起こして、ガラス片のようなものを作り出す。
また、これにより変色したり、味を悪くしてしまう。この化学変化を防ぐのが、酸性パーチである。
ところが、なぜ酸性パーチが化学変化を防ぐのかということについては、まだはっきり解明できていないという。現在でも、カニ缶に対する苦情の多くが「ガラスが入っていた」というものだそうだ。この物質は毒性のものではなく、たとえ入っていても心配無用である。また、この紙は、バターやチーズなどの包装にも使われている。

(7)

何と読むのか、間違って読んでないか?

下司…げす 練る…ねる 各戸…かっこ 欠片…かけら 硝子…ガラス
帆走…はんそう 懐炉…カイロ 梣…トネリコ 忽ち…たちまち 記す…しるす
玉葱…たまねぎ 世論…せろん 煩い…うるさい 拉げる…ひしゃげる 会得…えとく
剪刀…はさみ 笊…ざる 配う…あしらう 柏手…かしわで 烏賊…イカ
手水…ちょうず 糸瓜…へちま 木耳…きくらげ 呂律…ろれつ 府…みやこ
(8)

S25T は、吐出量の少ない (40L/min程度) 研削盤では、発泡問題はなく使用できるが、吐出量の多い (80L以上/min) 研削盤では発泡問題が生じることが判明した。吐出量の少ない研削盤はおおよそ砥石径も小さく、クーラントが空気を巻き込む作用も小さいことから泡の量が抑えられていると思われ、吐出量の多い研削盤は大抵砥石径も大きく、クーラントが空気を巻き込む作用が大きいと考えられる。吐出圧と発泡の関係に関しては、吐出圧が高くとも、吐出量が少なければ、泡の量は少なく、吐出圧が高くて吐出量が多いと、泡の量も多い。クーラントタンクと発泡の関係は、タンクの高さが低くて小さいと、ポンプが水面の泡を吸い込み、泡を増幅させるようで、高さがある深くて大きいクーラントタンクだと、泡が発生しても、ポンプは水面の泡を吸い込むことがなく、泡は水面に一定量で止まり、タンクから溢れ出る危険性は少ないようである。あれこれ言っても設備は変えられないので、消泡性を向上させたS25TH という商品が完成した。発泡で悩んでおられる場合は、S25TH の使用を是非お奨めする。

(9)

ある会社がブローカーを通じて、中国企業の下請け加工を始めた。日本国内では仕事がないからという理由だった。中国側は加工のノウハウを吸収したいために、ブローカーを通じて仕事を出していると思われた。加工技術をある程度吸収すれば、いずれは中国国内に引き上げると考えられる。これから、こういう仕事が増えてくるのではないか。以前、「中国は世界の工場」と言っていたが、「日本は世界の工場の下請け」と言われるのではないかと、思えてならない。

(10)

世界でいちばん長い川は? 川の長さは年と共に変化している、測量技術の進歩などで新しい水源が発見されるためで、昔はミシシッピ川が最長といわれていたが、現在ではエジプト・エチオピア・ケニヤ・タンザニアなどの10か国を流れて地中海にそそぐナイル川(6695km)が最長であると記録されている。
2位はアマゾン川(6516km)で、ブラジル・ボリビア・ペルーなど7か国を流れて大西洋に注ぎ込んでいる。3位は長江(6380km)で、日本では揚子江と呼ばれている。
4位にようやくミシシッピ川(5969km)。5位がロシアのオビ川(5568km)、6位にロシアのエニセイ川(5550km)、7位に中国の黄河(5464km)、8位にアフリカのコンゴ川(4667km)、9位がアルゼンチンのラプラタ川(4500km)、10位にモンゴルのアムル川(4444km)中国とロシアをまたいでいる。ちなみに日本の川は、さすがに大きな変化はなく、1位が信濃川(367km)、2位が利根川(322km)、3位が石狩川(268km)で、国土の広さから見てもうなずける長さである。世界一短い川は、東ヨーロッパのジョージアにある未承認国アブハジア共和国の「ノリプルア川」で、27m。日本では、和歌山県那智勝浦に流れる「ぶつぶつ川」の13.5m。

(11)

花壇などの花に水をやるときに使う「ジョウロ」、その先っぽについている円錐形で小さい穴が多数あけられている。そうすることで、広く均等に水を撒くことができる。これを「蓮口(はすぐち)」という。ハスの花の中心にある、実ができる部分に似ていることから、こんな名前がつけられた。

写真1 ジョウロは漢字で”如雨露”と書いて「雨のような水を出す」という意味だが、実はもともとポルトガル語で「水が吹き出す(ジョロー)」という言葉が語源。
ジョウロは江戸時代に長崎の出島から日本に入って来たもので、そのときにポルトガル語では分かりにくいということから、意味が通じる漢字があてはめられた。
(12)

福島県の安達太良山の西山麓、標高750〜800mの高地にあるのが沼尻、中ノ沢温泉。ふたつの温泉はいずれも沼尻山に同じ沼尻元湯という源泉を持つ兄弟温泉である。
源泉からは80℃くらいの熱い湯が湧出するが、中ノ沢温泉まで7kmあるために旅館に到着するころには53℃くらいになる。湧出量は13,400L/分という、今まで日本一といわれていた玉川温泉の9,000L/分よりはるかに多い。泉質は、Na Al塩化物硫酸塩泉、pHは強酸性で1.9。お湯に含まれる硫化水素は有毒であるため、源泉から300mは木の樋でガス抜きをしている。
作詞・丘 十四夫(としお) 作曲・古関 裕而(ゆうじ)の昭和29年のヒット曲「高原列車は行く」の舞台となったことで、その名が一躍有名になった。歌に唄われた高原列車とは、中ノ沢・沼尻両温泉の湯治客を運んでいた旧:沼尻軽便鉄道のことである。
古来、湯治場として親しまれてきたが、胃腸に効くといわれていたが強酸性のため、現在は保健所では飲用を正式に許可していない。また旅館なども金属やプラスチックなどは長持ちしないので、木や石で風呂場が造られている。

写真2 写真3